約 745,892 件
https://w.atwiki.jp/ioag/pages/48.html
基本情報 名 前 ルイズ・アルジェント [Louise Argento] 性 別 女 年 齢 23歳(*1) 分 類 一般住民 身 長 168cm 体 重 48kg 職 業 ゼブロン辺境伯令嬢 誕生日 10/24(蠍座) 一人称 私 住 所 アガルタ島・北エリア 呼び方 身内(家族・使用人・ヨハン家)と子供以外はさん付け アガルタ島の町長アルノルトの娘で、リアの姉。幼い頃から身体が弱く、滅多に家から出る事は無い。上品でどこか儚い雰囲気を持った女性。 詳細情報 登場時期 はじめから 家族構成 父アルノルト、母アルバ(故人)、妹リア、婚約者ジェスロ(故人)(*2) 好きな色 白、銀、水色 趣味特技 読書、お菓子作り、音楽鑑賞 担当楽器(*3) ピアノ・オルガン(*4) 性 格 物腰柔らかく上品で、落ち着いた雰囲気の知的な女性。 仲良し 使用人、ヨハン家、ジェイ、ジル、クララ、ノーラ、シオン、マヤ等 不 仲 マシュー(*5)、デズモンド、エース、バルトロ ~行動パターン~ 基本的に家から出る事は無いが、晴れた日曜は教会の典礼に参加している。二章終了後は教会や役場等、少しずつ外へ出る姿が見られる。尚、リアが結婚した後はアルノルト、ケイトと交代で役場の受付に立つようになる。ブラッドと結婚後は二人で出歩く姿が見られるように。 ~略歴~ 生まれつき身体が弱く、都会で勉強する予定だったが計画が頓挫。メイザース邸でジェイや後の婚約者ジェスロと共に勉学に励む。この時ジェスロの親友でメイザース邸庭師の息子ブラッドとも出会い、親交を深めている。 ルイズ5歳の時にリアが誕生するが、母アルバの体調が悪化。ヨルダ一家と共にジェスロとブラッドが町長家にやってくるが、翌年アルバが亡くなる。その時心の支えになってくれたジェスロと婚約。体調も快方に向かう。 しかし二年後、連絡船事故でジェスロを亡くす。一度は回復しつつあったルイズの体調が一気に悪化する。 タイガやミハルの活躍で島に活気が戻った頃から体調が改善、長く傍で支え続けてくれたブラッドと結婚する事になる。以降は町長を継ぐため、精力的に活動するように。(*6) 好き + クリックすると開きます 大好き:タマゴカブのミモザサラダ、カブとサケのクリームシチュー、キッシュ、トマトのカプレーゼ、トマトフルーツサラダ、生ハムとリンゴのサラダ、ブロッコリーの温サラダ、大地の根菜サラダ、チョコクッキー、チョコテリーヌ、薬膳スープ、月映る黄金スープ、紅茶のパウンドケーキ 好き:野菜&フルーツ全般(ニンニク&トウガラシ以外)、ミルク(加工品も)、ハチミツ、秋の愛(花束)、アルタイト(アクセサリは×)、ナルリリー、ルナフラウ、シライトソウ、ライラローズ、シルバーカラント、カシュナ、アスパラのバターソテー、大好物以外のサラダ類、オランジェット、コーンポタージュ、スイートポテト、カボチャのスープ、焼きナス、アップルパイ、キャロットラペ、ホウレンソウのおひたし、青汁、クッキー、ハーブブレッド、森のキノコシチュー、キノコ汁、キノコのバターソテー、ハーブティー全般、ボンゴレビアンコ、刺身、魚の香草焼き、アユのマリネ、アジのカルピオーネ、鶏ハム、生ハムのユッケ、紅茶類(茶葉も○)、カシュナのポプリ等 苦手 + クリックすると開きます 苦手:塩辛、脂っぽい食べ物、コーヒー類 大嫌い:こがねの香水以外の香水全般、酒類全般(二章クリア後はフルーツで作った酒、ワイン、カクテルは普通になる)、宝石や鉱石類(アクセサリ含め受け取らない)、キムチ、ワスレナグサ、ニンニクの丸焼き、辛い物全般 意外と嫌いなものは少ないが、好感度は非常に上がりにくい。毎日一日も欠かさず好きなものをプレゼントして、三年目が終わる頃にようやく好感度がMAXになるイメージ。(*7) イベント ※準備中 + ... イベント名1 説明 イベント名2 説明 イベント名3 説明 イベント名4 説明 イベント名5 説明 イベント名6 説明 イベント名7 説明 イベント名8 説明 イベント名9 説明 イベント名10 説明 イベント名11 説明 イベント名12 説明 パーソナル詳細 ※この項目については表の関係でPCからの閲覧を推奨します + クリックすると開きます 個人形成・性格 積極的⇔消極的(性格) どちらでもない 強気⇔弱気 どちらでもない 神経質⇔無神経 やや神経質 繊細⇔粗野 繊細 勇敢⇔臆病 やや臆病 気長⇔短気 やや気長 好奇心旺盛⇔無関心 どちらでもない 健康⇔不健康 不健康 多弁⇔無口 あまり話さない 個性的⇔地味 普通 総合 自分の体と責任(立場)のギャップでやや臆病になっている。繊細で落ち着いた雰囲気。 行動 能動的⇔受動的(行動) 受動的 行動⇔計画 念入りに計画 せっかち⇔のんびり(動き) ややのんびり アウトドア⇔インドア(行動範囲) 全然出ない 勤勉⇔怠惰(勤労態度) とても勤勉 忍耐⇔諦め(目的達成) すぐ諦める 総合 体が弱く受動的&インドアにならざるを得ない。計画的で勤勉。家族や婚約者の逝去や自信の体の事など色々重なり、諦めやすい性格になった。 賢さ・思考 賢明⇔暗愚(賢さ/道理) 賢明 利口⇔馬鹿(賢さ/能力) 利口 博識⇔無知(賢さ/知識量) 博識 機転⇔愚鈍(賢さ/頭の回転) 機転が利く 博学⇔浅学(賢さ/学問) かなり博学 柔軟⇔頑固(考え方) やや頑固 直情的⇔理性的(判断) 理性的 複雑⇔単純 やや複雑 勘が良い⇔勘が鈍い やや複雑 現実的⇔空想的 現実的 総合 とても賢く、少しの情報から多くを得られる。子供の頃は侯爵家で勉強をしているため、かなり博学。非常に現実的で、地に足のついた考え方。理想主義な父を諫める事も。 対人 友好的⇔ドライ 人並み 協調的⇔排他的(友好範囲) どちらでもない 社交的⇔交流無精(友人の数) やや交流無精 親和⇔自立 自立 深慮⇔浅慮(立ち振る舞い) 深慮 一途⇔浮気 割と一途 高飛車⇔低姿勢 物腰柔らかい 支配⇔服従 やや支配的 献身的⇔利己的 やや献身的 平和的⇔好戦的 人並み 素直⇔反抗的 人並み 寛容⇔厳格 人並み 総合 人当たりは良く思いやりもあるが、なかなか外に出られず交流が出来ずにいる。上品で物腰柔らかいが、相手を従わせる何かを持つ。人の上に立つのに向いている。 思想・心理 外向⇔内向(興味関心) やや外向的 外的統制⇔内的統制 内的統制 内罰⇔他罰 内罰的 自尊⇔卑下 どちらでもない 楽観的⇔悲観的(物事の見方) やや悲観的 達観⇔盲目 達観 愚直⇔狡猾 どちらでもない プライド⇔卑屈 どちらでもない 責任感⇔無責任 責任感つよい 執着心⇔淡泊 どちらでもない モラル⇔非人道 まあまあモラル高い 強欲⇔無欲 欲が少ない 享楽⇔禁欲 やや禁欲的 加虐⇔被虐 どちらでもない 敬虔⇔不敬 敬虔的 中立⇔偏見 どちらでもない 総合 達観してるが故に、若干悲観的な所がある。責任感が強く真面目で、家族や島のために自分を抑えがち。 まとめ 上品で落ち着いた雰囲気。体は弱いが、その分知恵が回る。物腰柔らかだが、人を従わせる威厳を持ち合わせる。 一番上へ
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/302.html
朝、目が覚めたキュルケは着替えを終えると鏡の前に座り、化粧を始める 今日は虚無の日、休日である 確実に誘惑するにはどんなメイクをしようかと、考えながら鼻唄をする 化粧を終え、自分の部屋を出て、ルイズの部屋のドアを開けたが空っぽであった 「相変わらず色気の無い部屋ね。それにしてもダーリンは何処へ行ったの?」 すると外からヒヒーンっという声が聞こえてきた 窓から覗くと二頭の馬とそれを引っ張る二人、ロムとルイズだ 「おっと!頬を舐めるのは止めてくれないか?そうだ、ははっ可愛いな」 「あんた馬に乗った事あるの?」 「いやないな。俺の世界には動物に変形できる者もいるが」 「なんでもありねあんたの世界は・・・・、さあ行くわよ」 二人は馬に股がり走って学院を後にした 「あの二人・・・・、街へ行くのね!こうしちゃいられないわ!」 キュルケはそう言って部屋を後にした。 タバサは虚無の日が好きだ、読書によって自分の世界が形成できる日、彼女にとってはそれ以外は他人と戯れるありふれた世界である この日も自分の回りに音を消す魔法、『サイレント』をかけて何時もの世界と自分を遮断して自分の世界に入り浸る そんな自分を元の世界に引き戻す者が表れる キュルケだった 彼女は自分の部屋の鍵を禁止されているはずの『アンロック』で解除して入ってきた 慌てた様子で彼女は大袈裟に声を出すモーションをとっている 本来なら自分の読書を邪魔する者は『ウインド・ブレイク』で吹き飛ばすのだが、相手は数少ない友人のキュルケである しかたなく、タバサは本を閉じて魔法を解除した 「タバサ。今から出かけるわよ!早く支度して頂戴!」 「虚無の曜日」 「わかっている、貴方にとって虚無の曜日がどんな日だか痛い程知っている でも今はそんなけと言ってられないの。恋なのよ恋!」 会話からどれだけこの二人が対照的なのかがよくわかる キュルケは感情で動き、タバサは理屈で動く それぞれを例えるなら火と水のようなものだが何故か仲がよかった 「そうね。あなたは説明しないと動かないよね。 あたしね、恋をしているのよ!あの人に!でもあの人はにっくいヴァリエールと出掛けたの!あたしはそれを追いかけたいのよ!」 それを聞いたタバサはやっとで動きだした 「ありがとう!じゃあ動いてくれるのね!」 少し涙目のキュルケにタバサは頷いた、そして窓を開けて口笛を吹きシルフィードを呼んだ 実の所タバサがキュルケの願いを受け入れたのは2つの理由がある 1つはキュルケが親友であること いつも一緒にいる友人のだから共に助け合うのが筋なのだろうか もう1つは彼女の追跡対象があのルイズの使い魔であることである ギーシュとの決闘で彼はとんでもない物を見せてくれた 平民でありながら風の塔の上に立ち、名乗り、飛び降りる そしてゴーレムを自らの拳と脚で砕く、魔法を使わずしてそんな平民見た事がない あの時タバサは本で読むようなリアリティを生で感じる事によって彼に興味を持ったのだ 今日も何か面白い物を見せてくれるかもしれない 理由はそれで十分であった 二人を背に乗せてドラゴンはばっさばっさと力強く羽ばたき、宙を浮いた 「いつ見てもあなたのシルフィードには惚れ惚れするわ」 キュルケが赤い髪を靡かせ感嘆の声をあげる 「どっち?」 タバサが尋ねる 「わかんない・・・・慌ててたから」 そしてタバサが命じる 「馬二頭、食べちゃだめ」 シルフィードは小さく鳴いて、蒼い鱗を輝かせ、空を泳ぐように翔んだ 一方学院の宝物庫の前に一人の女性、ミス・ロングビルが立っていた 鉄でできた巨大な扉を見上げ手を当て、慎重に辺りを見回した後ポケットから杖を取り出すと呪文を呟きそれを振る しかしバチッと電撃の様なものが走る 「どうやらアンロックは効かないようね・・・・この調子だと『錬金』も効かないようですし、さて、どうしましょ」 扉を見つめていると足音が聞こえてきた 一週間前より激務で禿げてしまったコルベールであった 「おやミス・ロングビルこんな所でなにを」 「あらミスタ・コルベール、実は・・・・宝物庫の目録を作っておりまして」 いや、それは大変ですなぁと禿げがテカるコルベールが笑う そしてロングビルは少しくだけた感じで話し、尋ねた 「ねえ、ミスタ・コルベール」 「はっはい、なんでしょうか」 ハゲコルベールが少し惑った感じで聞く 「宝物庫の中に入った事はありまして?」 「ありますとも」 「では、・・・・をご存知で」 「いやぁ、それが見た事があると言えばあるのですが何やら他のガラクタ、もとい宝と比べると厳重に保管されてましてな」 「それで・・・・?」 「恐ろしくてちゃんと見た事がないのですよ」 ロングビルはふむ・・・・と呟く 「わかりました、とても参考になりました。ではまた昼食の時間に」 「あ、はいそれでは」 (やはり強攻突破しかないようね、タイミングは今夜。ウフフ、一体どんなお宝なのかしら?) (それにしても綺麗だった、昼食も楽しみですな) それにしてもこの禿げのオッサン、迂濶である 所変わってそこはトリステインの城下町 ロムはルイズと人が賑わう道を歩いていた 貴族らしい格好が見当たらないので殆んどが平民の様である 老若男女が歩き、走り、喋り、それぞれ店を持ち、果物や肉や、篭を売る人たちで賑わう 「売っている物は違えどどの世界でも街は賑わうものなのだな」 「そんなの当たり前でしょ、じゃあ早速武器屋に行くわよ」 どんどん進んでいくと回りに看板が増えていく ×印の看板だったり薬瓶の看板だったり様々だ 「商売人は立派ね、あんな物まで売るなんて あっあれよ!」 ルイズが目の前の剣の形の看板を下げた店に指をさす 「あ~あ暇だねぇ、こんなに天気がいい日に金貨をドーンと置いて行く気前のいい客は」 「客よ、ちょっといいかしら」 (本当に来やがった!)「い、いらっしゃいまし貴族様!この店になんの様で・・・・」 「剣を買いに来たに決まっているじゃない。あいつに合った剣を探してほしいんだけど」 ロムは店の中にある剣を真剣な目付きで眺めている そんな様子を見て店主はニヤリと笑う 「お連れの騎士様は?」 「剣が欲しくて欲しくて堪らないから私が買ってあげる事にしたのよ」 「これは何という慈悲深い貴族様!いや~そんな貴女にはきっと民衆は尊敬するでしょう!」 ルイズが少しにやける、満更でもないようだ (こりゃ、鴨がネギしょってやってきたわい。せいぜい高く売り付けようか) 「店長!少し聞きたい事がある!」 突然のロムの大声に驚く主人 「な、なんでしょうか」 少しおどけた感じで聞く 「この店には狼の印が入った剣はあるか」 「狼の印ですかい?いや~そんな物はないですねい」 「そうか・・・・、すまん邪魔したな」 ロムは店から出ようとするがルイズに引き留められる 「ちょっと!折角人が買ってあげるって言っているのにそれは無いでしょ!」 「しかし目的の物がなければ仕方ない・・・・」 「か・い・な・さ・い!嫌ならまたドカンよ!」 ロムはギクッとした顔を見せた後 「見ていこう」 あっさり落ちた 「も~ダーリンったら何処へ行ったの!?」 後を追って街に着いたキュルケとタバサ 「このままじゃルイズに先を越されるじゃないの~」 っとキュルケが喚いているとタバサが顔の前に杖を出す 「・・・・あれ」 「あれ・・・・ってダーリンとルイズ!?」 武器屋からルイズとロムが出てきた、ロムは腰に鞘を付けて手に持った剣を眺めていた 「ゼロのルイズったら~!私にダーリンとられたくないからってプレゼントで気を引くつもりね! こうしちゃいられないわ!タバサ、ここでちょっと待っててね!!」 キュルケは武器屋に向かって走っていき、タバサふう、と息を吐いて再び本を読み始めた 「あんた本当にそんなボロい剣でよかったの?」 ロムに向かって少し呆れたような声を出すルイズ、すると 「ボロいボロいうるせえな娘っ子!こちとら伊達に長生きしてねぇんだぞ!」 なんとロムの持つ錆びた剣から声が出てきたではないか 「なんですってー!このボロ剣!」 「二人とも落ち着け、とにかくこれから宜しく頼むなデルフリンガー」 「おうよ相棒!へへっやっぱり強い奴が主人だと気分がいいな!」 この喋るボロ剣、デルフリンガーのこと魔剣インテリジェンスソードを買ったのはこのような経緯があった 店の主人はルイズが貴族である事を良い事に大剣を市場相場では有り得ない値段で売りさばこうとしていた。 それでルイズが主人に交渉している時、突然声が聞こえた 「おい、そんなん買わねえ方がいいぞ。そこの親父はがめついからてめえらからぼったくるつもりなんだよ」 ルイズとロムは思わず声の出所に振り向いたが、誰もいなかったので不思議に思っていると主人が突然怒鳴った 「やい!デル公!お客様に失礼な事を言うんじゃねぇ! 貴族に頼んでドロドロに溶かしてやるぞ!」 「やってみやがれ!どうせこの世にゃ飽きた所だ!」 「それってインテリジェンスソード?」 ルイズが当惑しながら尋ねる 「そうでさ若奥様。意思を持つ魔剣インテリジェンスソードでさ。 でも口が悪くて悪くてこいつのせいで何人も客が逃げたことか・・・・」 主人が愚痴を溢していると 「面白そうだな」 っとロムが興味を持ち、喋る剣を手に取った 「おいこらに俺にさわんじゃねぇ・・・・てあれ?」 さっきまでの大声が急に小さくなった 「おでれーた。てめー『使い手』か」 「『使い手』だと?」 「それにかなりの修羅場を越えてやがるな・・・・」 「それはあっている」 「面白ぇ、てめ、俺を買え」 「・・・・わかった、買う、マスターこいつで頼む」 するとルイズが嫌そうな顔になる 「え~~そんなのにするの?もっと綺麗でしゃべらないのにしなさいよ」 「しゃべる剣なんて面白いじゃないか。俺の世界には人を操る剣はあったがしゃべる剣は無かったぞ」 今さらりとトンでもない事を言った気がしたが・・・・取り敢えず他に録な剣が無いので買うことにした 「あれ、おいくら?」 「百で結構ですわ、あとこれはあいつの鞘、これを付けていれば黙りますぜ」 「じゃあはい、これで」 「毎度」 こうしてルイズとロムは店を後にした この後すぐにキュルケが入店し、彼女のお色気攻撃によって主人は店一番の業物を超格安の値段で泣く泣く手放す事になる 「・・・・所でデルフリンガー」 「なんでい相棒」 「お前は狼の印が付いた剣を知っているか?」 「知らねえな」 「そうか・・・・」 おまけ 食堂にて シエスタ「おかしいわね、ロムさん昼頃になっても会えない・・・・。一体どうしたんだろ」 「昨日は酷い目にあったよ・・・・まさか彼女に燃やされるなんて」 「ああまさかキュルケがあの平民と付き合っているなんて」 シエスタ(ピクッ) 「あの平民許さないよ、きっと彼女はアイツに誘惑されたんだ」 シエスタ(ピクッピクッ) 「でも彼女は強い人が好きだなんて言っていたからな・・・・」 「いるわけがいないよなぁ、風の塔から飛び降りる平民なんて」 シエスタ(!!!!) 「僕も『フリッグの舞踏会』で風の塔から飛び降りたら彼女は振り向いてくれるかなぁ」 「それじゃ足が折れて踊れないだろ」 「問題はそれじゃない、あそこから落ちたら死んじゃうから!」 「ハハハハハハハ」 シエスタ(・・・・・・・・・・・・) 続く?
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/4416.html
ルイズと不思議な魔法の本 トリステイン魔法学院に一人、嫌われ者の教師がいる。 教師と言うのは大概嫌われるものだが、しかしそのなかでも特筆に価するほど彼が嫌われているのは口を開けば「風」の系統の自慢しかしないからだ。 なにかあれば、やれ「風はすべてを吹き飛ばす」だの「最強の系統は風だ!」と授業そっちのけでのたまい、あまつさえそれが行き過ぎて生徒に怪我を負わせかねない行いをしたことすらある。 だが、今そんな彼のことを熱い瞳で見つめるものがあった。 キラキラと輝く、まさしく師を仰ぎ見るかのような視線の主は言うまでもなく某「ゼロ」のメイジである。 いや、それは正しくない。 彼女はこの人間としてどうかと思う教師に師事して以来、「ゼロ」の二つ名を返上したのだから。 「それではミスヴァリエール、君に問おう。最強の系統とは何かね?」 ギトーにとってもそんな視線を受けるのはけして不快ではない、故に少々――いやかなり彼女のことを優遇してしまっても仕方のないことだった。 「それは風です!」 「その通り、風は全てをなぎ払う」 ため息すら付きながら風の長所を延々と並べ続ける二人の変人、自己陶酔に浸る二人を処置なしと切って捨ててからキュルケは何故こんなことになったのか肩をすくめる。 思い出すのはあの日のこよ、キュルケが最愛の相方であるフレイムを呼び出し、そしてルイズが今フレイムの背中の上でマルトーが作ったシチューを鍋から直接がっついているおかしな生き物を召喚した時のこと。 ルイズが呪文を唱え杖を振ると、果たして強烈な爆発が巻き起こった。 また失敗か。そう思って唇を噛み締めるルイズとその失敗を嘲る周囲の者達。 だが爆発の煙が収まった後、そこには一冊の本が転がっていた。 「ゼロのルイズが本を召喚したぞ」 「生き物ですらないなんて、さすがゼロのルイズだな」 周囲の声など耳に入らなかった、ルイズは自らが召喚した本から目が離せなくなっていた。 「ミス・ヴァリエール!?」 ディティクトマジックを掛けたコルベールが止めるも間に合わない、ルイズはゆっくりとその本に手を伸ばした。 ――羽根の生えた獅子? カチン 本を留めていた留め金が音を立てて外れる。 ゆっくりと開いた本のなか本として在るべきはずの頁は存在せず、その代わりにたくさんのカードが収まっている。 ルイズはそのうち一枚を手に取るとゆっくり捲る、そこには騎士甲冑を着込んだの少女の幼い少女と言う図柄と、見たことのない文字が躍っていた。 「見たことのない文字ですが強力な力を感じますね、東方のマジックアイテムか何かでしょうか?」 ――あれ? 私これ読める……? 見たことのない筈の文字なのにルイズには何故かその言葉が理解できた。 「とにかく危険性も分からない以上、まずはオールドオスマンに相談してから……」 「ストー……ム?」 風が凪いだ。 「うわぁあ!?」 「ひゃああああ」 周囲のギャラリーが悲鳴をあげて逃げ惑う、ルイズを中心として発生したカッタートルネードもかくや猛烈な突風は様々なものを巻き上げていく。 土を、砂を、木々を、誰かの使い魔を、そしてカードを。 ばらばらと巻き上げ何処かへと吹き飛ばしていく。 「大丈夫ですか!? ミス・ヴァリエール!」 風が収まった後、呆然としていたルイズは自分の上に覆いかぶさっている人影に気づいた。 禿頭のこの教師は、異変を感じ取ってすぐルイズを庇う為に身を躍らせたのだ。 身近な相手の意外な勇敢さに驚くルイズの耳に、聞きなれない言葉が響いた。 「こにゃにゃちわー」 手に抱えた本のすぐ側に立つるいぐるみのような黄色い何か。 初めにルイズとコルベール、そして僅かにその場に残っていた生徒達の頭に浮かんだのは「何これ?」と素朴な疑問だった。 「やー、よー寝たわー」 そんなことを言いながら伸びをするナマモノに向かってルイズは疑問を投げ掛ける。 「あんた何?」 その問いかけにナマモノは誇らしげに胸を張った。 「よー聞いてくれたな、ワイは封印の獣ケルベロスや!」 見た目の割に随分大層な名前である、しかし仮にも封印の獣を名乗る以上きっと見た目以上の存在ではあるのだろう。 「封印の獣? と言うことは君は先ほどの強力な力を封印する精霊か何かだと言うことかね?」 「そや、この本にはクロウリードちゅう魔術師が作った特別なカードが封印されとってな……」 ケルベロスは誇らしげに振り向くと、そこには空っぽになった封印の本の姿。 ケルベロスは笑顔のままでだらだらと脂汗を垂れ流すと、大慌てで騒ぎ出した。 「ない、ない、ないない、ない! クロウカードが一枚もない!」 がっくりと肩を落とすケルベロスに向かって、さすがに気まずくなったのかルイズは言った。 「ええと、私がストームって言ったらみんな飛んで行っちゃって……」 「なにぃ!?」 物凄い勢いで顔を突きつけてくるケルベロスに向かって、自分のしでかしたことに慄きながらもルイズは精一杯虚勢を張る。 「な、何よ、あんた封印の獣なんでしょ!? ちゃんと封印しておきなさいよ」 「それ言われると辛いなぁ、けどお前にも封印を解いてもうた責任はある」 だからこーせーへんか、とケルベロスは手を叩いた。 「お前名前なんて言うんや?」 「ルイズよ、ルイズ・フランソワーズ・ルブラン・ド・ラ・ヴァリエール」 「なっがい名前やなぁ、なぁルイズ。クロウカード集めるの協力してくれへんか?」 もし、ルイズがどこぞの巨大な魔力を持った小学生のように素直な性格ならここでうんと頷いていただろう。 だが残念かな、ルイズは誇り高い貴族であり、そしてその手の中にはこれまで望み続けてついぞ手に入れられなかったものがあった。 「いっ、嫌よ。絶対、離したくない!」 目の前の珍妙な生物は“封印の獣”と名乗った。 ならばケルベロスはカードを集めて何をするのか? 決まっているもう一度この本のなかに封印するのだ、この協力な魔法を誰も使うことができないように。 だが同時にルイズは思ってしまったのだ、この本は自分が召喚した自分の使い魔。絶対に誰にも渡したくないと。 それは自らがとんでもないことをしてしまったと言う恐怖をやわらげようとする心の働きであるとともに、「ゼロ」と呼ばれ続けてきた少女の渇望そのものだった。 期せずして手に入ってしまった魔法、それも憧れ敬愛する母と同じく強力で理不尽なまでの風の魔法。 「五つの力を司るペンタゴン、この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」 ルイズは手の中に残ったそのカードに呪文を唱えながら口付けた。 「あっーーーーーー!?」 ケルベロスの叫びと共にカードは強く光を放ち…… ――トリステイン魔法学院に、二人目の「風馬鹿」が誕生した瞬間である。 以後、ルイズは徹底的に手に入れた「嵐」のカードの力の研鑽に費やした。 その過程で風のスクウェアメイジであるギトーを師と仰ぎ、変わった風のメイジとして大成したと言う。 彼女のすぐ傍で文句を言い続けた奇怪な生物はこう語る。 「まぁぁったくルイズはクロウカード集めも全然せんかったからなぁ、それでもまぁ結局なんとかクロウカードは集まったし、マルトーのおっちゃんの料理も旨かったからなぁ。呼んでくれて感謝感謝や」 そう語るケルベロスの影には、母の治療の為長大な杖を掲げて蒼い竜と共にハルケギニア中を飛び回った一人の魔法少女の姿があったとかなかったとか。 END 「カードキャプターさくら」より「ザ・クロウ」を召喚
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/894.html
おとーさんがルイズに怒られながら机を拭いている時、外の方からおとーさんを呼ぶ声がしました。 「おまいさん、帰ってるんなら風呂用の薪でも作っといておくれよ」 明らかに女性の声でした。その声を聞いておとーさんは外に出ていきました。 ルイズは、おとーさんの家族について来る前に少し考えていました。 おとーさんから名前だけは聞いていたのですが、姿形はたぶん同じようなゴーレムだろうと考えて聞きませんでした。 色は白だろうか、黒だろうか、ひょっとしたらピンクかもしれない・・・・そんな事を考えていました。 「おや、いらっしゃい。たしか『ルイズ』さんだったかねぇ、うちの宿六から話は聞いているよ」 おとーさんの奥さん「おかーさん」が入ってきました。おかーさんを見たルイズは固まってしまいました。ルイズが考えていた斜め上を行っていたからです。 身体の色は紫で、形は丸くフワフワモコモコです。身体の大きさも座っているルイズ位です。ゴーレムと言うよりも生物、もっと言えばネズミの様な姿をしていました。 「ター坊やジョンの奴がなんか迷惑かけたみたいだけど、人んちを覗く方が悪いのさ。まぁ、御相子ってとこだろうね」 お茶を入れながらおかーさんはルイズに話しかけますがまだ理解できていないようで口をパクパクしています。 その様子を見てお茶をルイズに差し出しながらおかーさんはこういいました。 「まぁ、私たちの事は後でゆっくり話すとして。その前にルイズさん。うちの宿六と何があったのか・・・聞かせてもらおうかねぇ」 ルイズは戸惑っていましたが、あまりの出来事の連続に反発する事も忘れ素直に話始めました。 ハルケギニアやトリステイン魔法学院の事 自分がおとーさんを召喚した事 おとーさんと契約して使い魔にした事 使い魔とはどういうものなのか 召喚してから今までの出来事・・・ ルイズの話を聞き終わったおかーさんは、確認をする様に質問しました。 「そうだったのかい。使い魔の契約だっけ?それ自体も解消できないんだね?」 ルイズが頷くとため息をつき少しの間考えるように遠くを見ていました。 おかーさんはルイズに静かに話し始めました。 「仕方ないか・・・。あたし達にかかわっちまったし、こっちの事も話さないとねぇ・・」 宇宙船同士の接触事故 相手の宇宙船が惑星アニカへ墜落した事 そのなかで一人だけ生き残った赤ん坊の事 そして・・・ 「おかーさん、ただいま~~!!」 可愛い人間の女の子が元気よく帰ってきました。おかーさんが女の子の方へ行くとおとーさんとお風呂へ入るように言いました。 戻ってきたおかーさんはお茶を飲むとため息をつきまた話し始めました。 「帰るところがわからないあの子の為にニセの家族をでっちあげて暮らしてるんだよ。せめて迎えが来るまで育てることが死んだあの子の両親への罪滅ぼしだって思ってるのさ・・・」 おかーさんは思いつめたように話します。ルイズは一部わからない単語等ありましたが大まかにおかーさんの話を理解しました。 「ルイズさん、あんたの話もわかったし協力できる所は協力するよ。ただ、あの子の為にルイズさんにも協力してもらえないかねぇ」 ルイズは少し考えましたが、ウンと頷くと優しく微笑んで快諾するのでした。 安心したおかーさんでしたが、あることを思い出しルイズに尋ねてみるのでした。 「ところでルイズさん。うちの宿六なんだけども、あたしが考えるにたぶんあんたの事『娘』だと思ってるみたいだねぇ。心当たりとかないかい?」 おかーさんの言葉にキョトンとするルイズでしたが、色々思い出しているうちに顔が赤くなってきました。 「たたた、確かに。そそそんな気もするかも・・・」 おかーさんはルイズの様子を見ながらさらにこういいました。 「やっぱりそうかい。あの宿六が単なる契約ごときで仕えるとは思ってなかったからね」 お茶を飲みながらルイズに話終わったおかーさんから夕食でも一緒に食べないかと提案がありました。 最初、遠慮していたルイズでしたが材料も用意してあるからとおかーさんに押し切られる形で一緒に食べる事になりました。 本当は、話している最中にルイズのお腹が鳴ったのでおかーさんが気を使ってくれたのでしたが。 おかーさんが台所に行くとおとーさんと女の子がお風呂から上がってきました。 すでに着替えを済ませていておとーさんと話をしながらルイズが居る部屋まで来ました。女の子はルイズを見るとすぐに挨拶しました。 「あたしコロナ!おねぇちゃんはだ~れ?」 「私は、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。長いからルイズでいいわよ。ヨロシクね」 それからルイズは、コロナとたわいも無い話をしていました。 ヴァリエール家の三女だったルイズは妹が欲しいと思っていた事もあったのでコロナとの話は凄く楽しかったのでした。 その後の、四人での夕食もルイズにとっては決して豪華というわけではありませんでしたが温かいものでした。 コロナとまた遊びに来ることを約束してルイズは部屋に戻りました。おとーさんはそのまま扉を閉めようとしましたが、ルイズが話があるからと部屋に招き入れました。 「おとーさん、私の事・・・娘だと思ってるの?」 ルイズは意を決しておとーさんに尋ねました。ルイズの問いかけにおとーさんは頷くとこう言いました。 「・・・ルイズもコロナも娘」 ルイズはやっぱりと考えながらこう言いました。 「本当は、私はおとーさんの主人なの。おとーさんは私の使い魔なの」 ルイズの言葉にしょんぼりするおとーさんでした。そんなおとーさんにしゃがんで目線を合わせたルイズはこう続けました。 「でも、コロナちゃんの事もあるし特別に娘って事でいいわよ」 それを聞いたおとーさんはとても嬉しそうでした・・・・
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/753.html
戻る マジシャン ザ ルイズ 進む マジシャン ザ ルイズ (5)灰毛の誓い 「決闘だっ!!」 食堂にギーシュの絶叫がこだまする。 「いいかっ!貴様!貴族に逆らったことを後悔させてやる!」 ギーシュがシエスタの横の平民を指差して叫んでいる。 シエスタも、平民の男も、すっかり顔を青くしてガタガタと震えている。 ハルケギニアでは貴族は絶対、平民がそれに逆らうなど許されないのだ。 「待ちたまえ」 ギーシュがギ、ギ、ギと首を背後へと向ける。 そこにいたのは杖を持ち、色眼鏡をつけた髭のメイジ。 ゼロのルイズの使い魔、得体の知れないメイジ、ウルザの姿であった。 「その決闘、私が代わりに引き受けよう。」 哀れギーシュ、彼は今ヴェストリの広場でトライアングルメイジと目される男の前に立たされている。 周囲からは野次馬が集まり、遠巻きに眺めている。 当のギーシュはなぜこのようなことになったか分からないという風体である。 自分はシエスタのしたことの八つ当たりを平民にしようとしただけなのに……なぜこんなアブなそうな男の前に立たされているのだろう。 呆然としているのはギーシュだけではない、もう片方の決闘の当事者の保護者(?)であるルイズもであった。 「な、な、な、なんでこんなことになっているのよ!?」 「ふむ…話せば長いのだがね、少々迷惑をかけた者―――彼女だ、そのお詫びに彼女が被る筈だった泥を私が被ったということになる」 「まあいいわまあいいわまあいいわ!でも貴族同士の決闘は禁止されているのよ!」 「そうなのかね?私も記憶が曖昧なものでね、そういったことは分からなかったのだ。 それに、その法は私のように本当に貴族であるか分からない者にまで適用されるのかな?」 「そ、それはそうだけど………でもきっと、オールド・オスマンがお止めになるわ!」 「では、オスマン氏が止めるならば、決闘は取りやめよう」 その頃、院長室ではオスマンとロングビルが広場での騒ぎを眺めていた。 「オールド・オスマン、あのような決闘、お止めにならないのですか?」 「貴族同士の決闘なら兎も角、彼はメイジではあるがはっきりとした素性は分からない。そのような者との決闘は禁じられておらんからなぁ。」 「学院長がそう仰るのでしたら………」 ロングビルがオスマンの姿を確認する、そこにいるのはいつものオスマンに見える。 しかし、その瞳が何かに駆り立てられたように使い魔のメイジを見ていることに、疑念の感じずにはいられなかった。 「ちょっとぉ!オールド・オスマンは何をしてるのよ!何で止めに来ないのよっ!!」 オールド・オスマンの制止が無いまま、ギーシュが指定していた時間が直ぐそばまで迫っていた。 ギーシュの顔色は青を通り越して土気色である。 彼としても、こんな決闘はオスマンが認めないと思っていたのだ。 「さて、時間だ」 「ま!待ちなさい!」 長身のウルザの前に小柄なルイズが手を広げて立ちふさがる。 「一つだけ、一つだけ約束して頂戴っ!」 「おおっ!ルイズっ!君は分かってくれるんだね!今まで君の愛に気付かなくて御免よハニーっ!愛してるっ!」 ルイズが助けてくれると思ったギーシュは感動と彼女の愛の強さに痙攣してしまうのだった。 「ギーシュの命だけは助けてあげて頂戴!あとスプラッタみたいのも禁止!」 「へっ?」 「手加減か………得意ではないが、主人の命令だ、心得た。」 そうして決闘は始まってしまったのだった。 杖を下げ、構えを取らない使い魔メイジ、ウルザ。 一方、緊張の為に汗だくになりながら、ウルザの周りをじりじりを移動するギーシュ。 最初はドットである自分に、トライアングルであるメイジが本気を出すなんて無いと思っていた。 しかし、この男を正面から目にするとその甘い考えに疑問を覚えた。 この男は何処かおかしい、知っている他のメイジや、父親であるグラモン元帥、そして、この学校の教師達とも違う。 何かこう、違和感を感じるのだ。 ―――掛け違えたボタンをそのままにして歩いている人を見たときのような。 「いつでも来たまえ、まずは君が先行だ。」 「く、そっ!こうなったら………やってやるっ!」 ギーシュが懐からバラを取り出した。 「青銅のギーシュの力っ!思い知れっ!!」 ウルザの指がピクリと動いた。 「出でよっ!!ワルキューレッ!!」 「対抗呪文/Counterspell!」 ウルザが神速で杖を振り上げ何事かを唱えた。 生徒達に分かったのはそれだけだった。 そう、それしか起こらなかった。 ギーシュお得意のワルキューレの出現も、ウルザの魔法による攻撃も、何も。 「え!?え!?そんな馬鹿な、僕はちゃんと魔法を使ったぞ!」 正面の男は何も応えない。 「く、くそっ!怪しい術を使うなんてっ!こうなったら…もう一度だ!出でよ!ワルキューレ!」 「禁止!/Forbid!」 再び沈黙。 何も起こらない。 ギーシュも周りの生徒達も何が起こっているのか分からなかった。 「出でよ!」 「Force of Will!」 「このっ!」 「巻き直し!/Rewind!」 「えいっ!」 「マナ漏出!/Mana Leak!」 「とおっ!」 「放逐!/Dismiss!」 … …… ……… 暫くの間、この意味不明なやり取りが続いた。 流石にこの頃になると、生徒達も何かがおかしいと気付き始めたようである。 ギーシュは魔法を使っている、しかし、あのメイジが何かをしている為、何も起こっていないのだ。 既に発動した魔法を相殺するなら良くあることだ、しかし、発動すらしないとはどういうことだろうか。 ミシッ この時、ウルザが初めて、自分から一歩を踏み出した。 「では、そろそろ、良いかね?」 「ひっ、く、来るなぁっ!!」 半狂乱になりながらギーシュが放った薔薇。 これが決闘が始まって以来、初めて、ワルキューレへと変化を遂げた。 しかし、そのワルキューレはギーシュが本来生み出すそれより小さく、頼りなかった。 必殺の筈のそれは、ウルザに浅い傷を負わせることしか出来ない。 そうしているうちに、ウルザの呪文詠唱が終わった。 「灰色熊の召喚!/Summon Grizzly Bears!」 ∩___∩ |;;ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ /;;;;;;;●;;;;;;;;;●;;| クマ──!! |;;;;;;;;;;;;;;( _●_);;;;;ミ 彡、;;;;;;;;;;;|∪|;;;;;、;;;\ /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽノ;;;;/´ ;;; ) (___);;;;;;;;;;;/ (_/ |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ |;;;;;;;/\;;;;\ |;;;;/ );;;;;) ∪ (;;;;;\ \;;;;;;) ※イメージ画像です 「………く、熊だああああああああああああああああああああっ!!!!」 「いやぁ!熊よっ!熊だわっ!」 「ちょっとっ!どいてよ!熊よっ!熊なんだから!」 「嫌だぁ!食われたくないぃ!」 「おがああああああああじゃああああああああん!!!!!!!!」 「きゃあああああああああああああああああっ!」 突然現れた熊を見た周囲の生徒達は蜘蛛の子を散らすように散り散りに逃げていく。 今、ヴェストリの広場はパニックのるつぼと化したのだった。 涎を垂らす熊の前には、哀れな犠牲者が一人……… 「そ、そんなっ!嘘だよねっ!食べたりしないよね!」 「クマー (※鳴き声のイメージです)」 灰色熊バゴスッ! ドミナリアの灰色熊から走って逃げてもむだだ。 追いつかれ、たたきのめされたあげくの果てに食われちまうのがオチだ。 もちろん、木に登るのは手だろうさ。 そうすれば、灰色熊が木を倒して君を食っちまう前に、ちょっとした風景を楽しめるからね。 ―――ギーシュ回顧録第三篇 戻る マジシャン ザ ルイズ 進む
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/8332.html
前ページ次ページBRAVEMAGEルイズ伝 第一章~旅立ち~ その7 光の剣?デルフリンガー 『ゼロのルイズの使い魔が、ギーシュを決闘で負かした』 このあまりに刺激的なニュースに学院はどっと沸いた。 メイジを下す実力を持つ子供が現れた。 いや、ギーシュの慢心によるものだ。 様々な噂が錯綜することとなった夜、ムサシは厨房にいた。 「おっさん!完璧だぜ!これこそおにぎりだ!」 「おう!たんと食ってくれ!能なし貴族の鼻っ柱、よくへし折ってくれたな!」 ムサシの髪を大きな手で撫でる料理長マルトーは、非常に上機嫌だった。 おかげで厨房の雰囲気はすっかり宴会場になっている。 彼の好物『オニギリ』を存分に振舞いもてなし、ムサシのお腹は幸せではちきれそうだ。 「もう、マルトーさんったら……でも本当によかった、ムサシくん……」 「どうしてだい?」 「心配していたの、ムサシくんが負けちゃうんじゃないかって」 通常、ハルケギニアで貴族に平民が逆らうことは自殺行為だと思っていた。 シエスタもそんな常識を持って今まで生きていたのだが、目の前の小さな少年がそれをひっくり返したのだ。 「本当に勝っちゃうなんて。ムサシくん、まるで『サムライ』みたい」 「へへッ、おいらがあんなヘナチョコに負けるわけねえさ!……え?『侍』?」 「あ、私の故郷では、とってもすごい剣の使い手をそう呼ぶらしいの」 聞き返したのは、聞きなれぬ言葉だからでは無い。 ムサシは知っている。 刀を振るう戦士、すなわち自分のことをそうとも呼ぶと。 シエスタがこの地に存在しない戦士の呼称を知っている理由を聞こうとしたその刹那。 マルトーが二人の間に顔を突き出した。 「なんともシャレた異名だなシエスタ!」 「ひゃ、マルトーさん、酔ってるんですか!?まだ夕食の後片付けは残って……」 「よーし!シエスタの故郷に従って、ムサシを『我等が侍』と呼ぼうじゃないか!」 『あっぱれ、みごと、我等が侍!』 「うわぁっ!おいおい勘弁してくれよ!」 厨房がコック一同のどんちゃん騒ぎの場と化して、シエスタは苦笑する。 ムサシもまんざらではなさそうで、やんややんやの大騒ぎだ。 そろそろ食堂の方にも厨房の騒ぎが聞きつけられようか、といったその時。 恐怖の大王のように、それは降臨した。 「誰が恐怖の大王よっ!ムサシ!ムサシはいるの!?」 「ルイズ!?」 厨房の喧騒が、水を打ったように静まる。 ムサシはご主人様のところへ嫌々ながら進み出た。 「なんだよ、ここで飯をもらうことは言っておいたゼ?」 「だからってご主人様よりゆっくり夕食を食べてていいわけ無いでしょ!ほら、帰る!」 「うわっ、引っ張るなって……シエスター、おっさーん。ごちそうさま!」 大騒ぎはさらに騒がしいルイズの登場で一気に終焉を迎えた。 シエスタもマルトーも、ぽかんと立ち尽くしてしまう。 「行っちゃいましたね」 「全く落ち着かない主人みたいだな。同情するぜ『我等が侍』」 どこかからかいのように微笑みながら、ムサシに手を振る。 彼の次の来訪を楽しみにする、厨房の一同であった。 * * その後、オールド・オスマンからのお咎めも無く、ルイズは無い胸をほっと撫で下ろした。 ギーシュも後日、ムサシといがみ合うこともなく話しているのを見かけたし、特に遺恨はなさそうである。 ルイズは使い魔の順応力が優れていることに感心するやら呆れるやらであった。 当のムサシはというと、しばし穏やかな日々を過ごし、満足しているようだ。 朝、ルイズよりも早く起きて剣の稽古。 他の生徒たちの使い魔と駆けまわり足腰の鍛錬。 腹が減れば厨房でおにぎりを貰い疲れたら青空の下でごろりと寝る。 ヤクイニックで過ごした日々と、そう変わり映えはしていない。 ただひとつ、不満な点があるが。 「タイクツだ……どっかに強いヤツでもいねえかな~」 ギーシュとの決闘騒ぎ以来、彼に決闘と呼べる出来事は舞い込むことがなかった。 三度の飯より決闘が好きのムサシにとっては、過ぎたる平穏は不謹慎ではあるが遠慮したいところなのだ。 帝国の刺客、ビンチョタイトの異常による怪生物、そしてクレスト・ガーディアン。 以前の場合は未知の強敵に事欠かない、飽くなき戦いが待ち受ける世界。 しかし今は彼を取り巻く状況が、最初から違っている。 彼はルイズの下僕であり、世界を救う英雄では無かったのだ。 下僕の立場で戦うことなどそうそうなく、ムサシは磨いた剣を持て余す日々を送らざるを得ないのだった。 * * そして数日後、虚無の曜日がやって来る。 いつもの時間に起こしたねぼけ眼のルイズの話によると授業が休みらしい。 着替えに入ったご主人様を置いて、寝袋をしまったムサシは寮の外へと繰り出した。 ちらほらと、他の生徒や使い魔の姿も見える。 ムサシは他人の邪魔にならないよう、人気の少ないところで黙々と鍛錬を始めた。 しばしそうしていた所、最近仲良くしている使い魔がのそのそ、と寄ってくるのを感じる。 「きゅいっ」 「やあ、元気そうだな!」 誰のかは定かでは無いが、恐らく使い魔であろう竜が頭を摺り寄せてきた。 一昨日、昼食の特製『マルトーおにぎり』(例によって残り物の高級鶏肉入り)を半分こした仲だ。 今日はまだ朝食も貰っていないが、それでもいいらしくムサシの鍛錬を眺めている。 ちゃっかりしたことに、こうして近くにいればおこぼれを貰えるという算段らしい。 だがムサシのほうも、別にそれは構わないようだ。 ヤクイニックでもここまで身体の大きい生物は目にしたことがなく、ムサシは興味があった。 この竜だけでなく他の愛らしい使い魔を見ると、ジャンや村の人々がレノを可愛がった事も多少は理解できると言うものだ。 「ムサシくん、おはよう」 「おう、おはよう!どうしたんだいシエスタ」 続く来訪者はなにやら包みを抱えたシエスタだ。 決闘をした夜以降、何かと気を使ってくれている。 腹が空いていないか、着ている物は綻びていないかなどだ。 故郷の弟を思う気持ちや感謝の念がそうさせているようだったが、その度ルイズは面白くないらしい。 シエスタも気を遣ってか、ムサシが一人で居るときに話しかけてくれるようになった。 貴族相手の口調をしなくてもいいせいか、シエスタ本人にもそれは安らぎになっているようである。 この地に珍しい黒髪の二人は、仲睦まじく会話をしていた。 「マルトーさんが持たせてくれたの、朝ごはんに食べてね」 「わざわざ届けてくれたのか?何から何までありがとな」 「ううん、気にしないでいいの。それに私ムサシくんと話していると、なんだかホッとするっていうか……」 「きゅいっ、きゅい!」 「きゃッ!?」 シエスタの包みの匂いに我慢ができなくなったか、青い竜が大きな頭を摺り寄せてきた。 少し驚いたシエスタだが、よしよしと頭を撫でてなだめてやると竜は嬉しそうに鳴き返す。 「わりい、こいつもマルトーさんの飯が好きみたいなんだ」 「うふふ、食いしん坊なのね。ムサシくんと仲良くね」 「ありがとうシエスタ、じゃあな!仕事がんばってくれ」 「ムサシくんもね!」 学生が休みとしても、使用人の彼女にとって休日では無い。 仕事にもどったシエスタにムサシは手を振り、今日も美味しそうな食事を竜と仲良くいただいた。 「うん、初めに食ったパンよりもずっとうめえ。ジャムの店を思いだすな」 「きゅいぃ~っ」 魚のオイル漬けを野菜と一緒に挟んだサンドイッチは、パン嫌いなムサシをも唸らせた。 最初こそ苦手としていたパンだが、ヤクイニックでの常食のひとつとしての習慣が徐々に味覚を変えたらしい。 今ではおにぎりほどではないにせよ、パンも悪くない。 隣で美味しそうに頬張る竜を見ていると、よりそう思える。 「ふうー、食った食った!さて、今日は遠出しようかな…?」 「きゅいっ?」 実はムサシ、一昨日、昨日と学院の塀を乗り越え脱走している。 この塀際で眠っていた竜の身体を足場にし、ゲイシャベルトの力を発揮したのだ。 自分なりに元の世界への回帰を図るという意味もあったのだが、何よりじっとしていられなかった。 彼にこの学院は、少々狭いのかもしれない。 それに、彼は昨日見つけたのだ。 (また"あんなもん"が見つからないとも限らないしな) 深い森の中に、手がかりを。 「悪いけど、また今回も頼むゼ」 「きゅいきゅいっ」 「何を頼むのよ」 ぎょっとしたムサシが振り向くと、身繕いも綺麗に整えたルイズが立っていた。 ムサシが腕の時計を見ると、もう学生達の朝食の時間は終わっている。 黙って外出しようとしたことが後ろめたいこともあり、後ずさりして身構えた。 対するルイズは疑問を抱きながらも、珍しくムサシを見て微笑を浮かべている。 「さ、準備して」 「え?」 「剣を買いに行くわよ」 「変なところ触らないでよね」 「そんなこと言ったって、他につかまる所もねえぜ」 「誰の身体につかまるとこが無いって!?」 頭頂に肘を決めながらルイズが言う。 ムサシの身体に合う馬など流石に無く、二人で一頭の馬を使わざるを得なかった。 やいのやいの言いながらの珍道中は2,3時間続き、ようやく目的地の街にたどり着くことができた。 「随分人がいっぱい居るんだなあ」 「トリステインで一番大きな都だもの、当たり前よ」 ムサシが知る城下というのは、ヤクイニック城下村だけだった。 目の前に広がる光景は、人々が狭い道を所狭しと行き来しているもの。 穏やかな農村であった城下村とは、似ても似つかない。 これも文化の違いか、とムサシはどこか新鮮さを楽しみながらルイズの後に続いた。 「そんなにきょろきょろしてると、田舎者扱いされるじゃない。ほらこっちよ」 「ああ。にしてもなんで、剣を買ってくれるなんて言い出したんだ?」 ムサシは当然の疑問をぶつけた。 使い魔への要求はあっても、ルイズからの施しなど食事がいいところだとばかり思っていた。 ルイズは硬直してギギギ、と音を立てそうな仕草でこっちを向いた。 「そ、それはあれよ…この間あんた言ってたじゃない」 「?」 「ほら!"ニトウリュウ"って……あんた、剣二本持ってたほうが強いんでしょ?」 ルイズがごにょごにょとムサシの方を見ないでつぶやく。 本人としては主が使い魔にご褒美をやっているつもり、なのだ。 だが対象がムサシという異性であるせいなのか─ (ルイズもおいらと一緒にもっと、強くなろうぜ!) (うっせえ!!決闘だ!!ルイズに謝れ!!) 「つ、強いほうが役に立つじゃない……それだけだからね!!」 「なんだよ?変なルイズだな」 「うるさい!」 それとも、自分にも解らないうちに他の意図ができたのか。 ルイズはやけに気恥ずかしく感じてしまっていた。 * * うらぶれた路地の武器屋は、サビた匂いがぷんと鼻を刺激する。 ルイズは顔を軽くしかめたものの、ムサシにとっては慣れた臭いだった。 客に気づいた店主が佇まいをのっそりと直し、二人を値踏みするような目で見つめた。 「いらっしゃってくだすってなんですがねえ、うちは貴族様に目をつけられるようなことなんかしてませんぜ。 至極真っ当な商売をしてまさあ」 「客よ」 ルイズが腕を組んでふんぞり返るのを見て、ムサシも倣って腕を組む。 店主はその言葉に驚いて目を見開いた。 「こりゃおったまげた。貴族が剣をお求めですかい?」 「だって、使うのは私じゃないもの」 「へぇ、ではどちらさんで」 「おいらだぜ!」 カウンターから乗り出した店主が、ムサシの姿を認める。 とたんに豪快に笑い出す。 突然の態度の豹変に、ルイズとムサシはむっとした。 慌てて畏まった店主が身を縮ませ弁明する。 「し、失礼貴族様。ですがねえ、こんなチビ助……ああいやお子様に振るえる剣が、 この店にありますかねえ」 「なんとかしてよ、ここ武器屋でしょ?」 「ナメてもらっちゃ困るぜ、おっさん!」 ムサシが不服そうに腰の名刀を鞘ごと抜き出し、掲げる。 鯉口を切った瞬間閃く真・雷光丸の黄金の剣光を見るやいなや、途端に店主の目が光った。 「……おぼっちゃん!その剣、言い値で買わせていただきやしょう!!」 「売らねえよ!こいつくらい良いモン、置いてないかい?」 目がらんらんと輝く店主がずずいと迫ってきて、ルイズとムサシは後ずさった。 途端にしょぼくれて老けこんだ店主がしぶしぶ店の奥に引込み、いくつか剣を用意してきた。 最初に差し出したのは、長さはここの世界で言うと一メイルほどの細剣。 細やかな装飾のレイピアだった。 「えー、確かに最近従者に剣を持たせる貴族もおりましてね」 「やる気出してくれない?客よ私ら」 「こいつぁ失礼。それというのも、トリステインで話題の盗賊というのが居るかららしいんですわ」 「盗賊?」 店主の話では、なんでもその盗賊は『土くれ』のフーケと言う通り名らしい。 貴族のお宝を片っ端から盗みまくる賊で、皆が皆恐れを抱いている。 故に、自衛のために従者に剣を持たせるのが流行しているそうだ。 ムサシは"盗賊"というフレーズに目を輝かせるがルイズは気づいていない。 剣を眺めながらふうん、とその話に相槌を打ちつつ首を捻っている。 「若奥様、ご不満でも?」 「剣のことはよく解らないけれども……細くない?これ」 「ああ、おいらにゃ細すぎるぜ」 「お言葉ですがねえ、この子の身体にゃ正直これくらいしか合いやせんぜ?」 店主はそう言うものの、ムサシの力を垣間見ていたルイズは難色を示す。 すると、剣を振るう本人がすっ、と進み出た。 「まあ見てなっておっさん」 「うん?」 それは 剣と言うにはあまりにも大きすぎた 大きく ぶ厚く 重く そして 大雑把すぎた それは 正に鉄塊だった ─とでも評されそうな片刃の剣が、店の隅に置かれていた。 よく見れば奇妙な二つの穴が開いている、どこかで金髪のトンガリ頭が振るっていそうなその巨大な剣。 ムサシは"片手"で持ち上げた。 「は!?」 「こいつはちょっと長えけど、このくらいの段平でいい剣はねえか?」 自分の使い魔がゴーレムを細身の刀で両断するほどのパワフルな子供なことは知っていたルイズ。 だが、改めてその怪力を見て驚くやら呆れるやら。 初見の店主はと言うと、くわえていたパイプをポロッと落としてしまう。 ムサシがその鉄塊をぶんっ、と一振りして元に戻したのを見て、店主がバタバタと店の奥へと引っ込んだ。 「あんた…持てるのはいいけど、本当にあんな剣使えるの?」 「おいらはもともと、この鞘に入るくらいの剣を使ってたからな」 ムサシが背中につけた朱塗りの鞘を見せる。 本当にそれに合う剣など存在するのだろうか、と言わんばかりの大きさであった。 「無茶苦茶ねあんた……」 「お待たせしやした!!こちら、こちらはどうでございましょう!一番の業物ですぜ」 見事に飾り付けられた、装飾の無いところを探すほうが難しそうな剣が出てきた。 長さは先程の剣の倍ほどもあり、かなりの幅広の大剣である。 店主が言うには、魔法も込められており鉄をも切り裂く逸品だとか。 「ムサシ、これすごいじゃない。綺麗よ」 「えー……ルイズ、おいらこんなゴテゴテした剣は好みじゃないぜ」 「何言ってるの!その刀?だっけ、それだって金ピカじゃないのよ。もう一本も当然こういうのでしょ」 ともかく手にとってみなさい、と店主に鞘ごと剣を渡すように言いつける。 しぶしぶその剣を取ったムサシ。 ルイズは店主に値段を聞いていたが、不意に大声を上げた。 「エキュー金貨で2000!?庭付きの屋敷が買える値段じゃないの!」 「そう言われましても言わずとしれたシュペー卿の作品でさぁ、このくらいが妥当ですぜ。 なにより剣は命を守るモンでしょう、値が張るのも仕方のないこってす」 「本当なのかしらねえ……」 ルイズはやはり買い物慣れしていないようで、ぼったくりに遭っているのでは?とムサシは心配になってきた。 鑑定屋のボリーじいさんでもここにいればその目利きが大いに役立っただろうに、という思いに駆られる。 すると、はたと気づいたように額の眼鏡を掛けて、まじまじとその手の剣を眺めた。 「?あんた、目が悪かったの?」 「いや、こいつは見たモノを鑑定できる伝説のゴーグルなんだぜ……えーっと、どれどれ。 『ゲルマニアのシュペー卿が鍛えた剣。だが実戦で使うには値しないおかざりの剣で、 鋼鉄を斬るどころか岩にすら負けてしまう 200エキュー』 ……なんだおっさん、こりゃとんだなまくらだぜ!?値段も一桁違うじゃねえか!」 「な、ななな」 「はぁ!?ちょっと、どういう事よ!」 「すすす、すいませんでしたぁーっ!ちょ、ちょっとした手違いみたいで……ええと……」 「ぶわーっはっはは!!とんだチビどもを相手にしちまったな!!」 店主が詰め寄る二人にあたふたと言い訳を連々並べていると、途端に笑い声が響いた。 店に自分たち以外の客がいないはずなのに、とムサシとルイズは驚いて辺りを見回す。 「デル公、今取り込み中だ。お客様にそんな口を利くんじゃねえやい」 「そんな冷やかしのチビ助二人がお客様たぁ、お笑いだ」 「ちょっと!さっきから誰よ、失礼な!」 「こっから声が聞こえたぜ?」 背の低いムサシが、店の一角の棚に手をかけて顔を出す。 するとそこには剣が置かれている。 錆が浮き古びた雰囲気の漂う剣の鞘が、カタカタと鳴りそこから音が漏れているではないか。 「しゃべる剣?驚いたな、どこにでもあるもんだ」 「これって……インテリジェンスソードじゃない?」 「ええまあ……意思を持つ魔剣なんて言われてますが、とんだ厄介モノでさぁ! 客に悪態ついて喧嘩売るわ、脅かして追い返すわでこいつのせいで商売あがったりで…… デル公、今度という今度はてめえをドロドロに溶かしちまうぞ!」 「へっ!やってみやがれ、こんなしょぼくれた店にゃあもう飽き飽きしてたんだ!願ってもねえ!」 店主がずかずかと歩み寄り、お喋りな剣を取り上げようとする。 そこにムサシが口を挟んだ。 「待ってくれ、溶かす前に見せてほしいぜ」 「ムサシ、あんたこんな剣がいいの?」 あからさまな難色をルイズは示す。 どう贔屓目に見積もっても、こんな錆まみれの剣は趣味に合わなかった。 こんな見窄らしいものしか買い与えられないのか、とキュルケあたりが指差し笑うに違いない。 しかし、当のムサシは興味深げだ。 「おいらが前使ってた剣も、しゃべったからなあ」 「えっ……あんた、どんな剣使ってたのよ…」 ムサシが以前愛用していた剣、光の剣レイガンド。 その剣もまた、冒険の最中ムサシに語りかけたことがあった。 と、言っても正確に言えばレイガンドでは無く、そこに封じられた魔人が語りかけたというのが正しい。 ともあれムサシにとってこんな異郷の地でもまた、しゃべる剣に出会えたという奇妙な縁に心踊っていた。 兵法者にとって、物珍しい武器というのは否が応でも手にしたくなるものである。 ムサシはデル公と呼ばれた剣を左手に握り、鞘から抜いた。 柄から切っ先までをじっくりと眺めて、正眼の構えを取ってみる。 「へ、ナリはチビだが案外サマに……お?」 「どうかしたのか?」 「こりゃおでれーた、ガキと思って見損なってた。お前ェさん『使い手』だったのか?」 「なんだい、その『使い手』ってのは」 ムサシは再び『エキシャゴーグル』をかけ直しながら尋ねた。 伝説の武具の能力でこの剣を鑑定する。 銘は『デルフリンガー』というらしい。 なるほどそれでデル公か、とムサシは納得する。 と、握る左手が熱を持っている感覚がして目を向けた。 見ると、朱の篭手の下から光が溢れている。 外してみると、使い魔の契約のルーンが輝いていた。 ムサシは、ルイズと二人で目を見合わせる。 「えーっと『使い手』ってのはアレだ、ほら。あーっと…えー、すまねえ!はっきりとは覚えてねえ」 「なんだよそれ?」 「はっきりしない剣ねえ……ねえ、サビてるし胡散臭いわよこいつ。相手にしないでおきましょ」 「人を見た目で判断するたぁ、まだまだ青いなピンク女。ピンクの割にな」 「剣じゃないあんた」 危うく刀剣にツッコミを入れそうになったルイズが手を引っ込める。 ムサシは黙々とデルフリンガーを鑑定していたが……やがて、驚いたようにゴーグルを外した。 「ルイズ、おいらこいつに決めたぜ」 「えー!?嫌よ私、こんなボロっちい剣」 「おいおい使うのはこっちの小僧だろうが!おい親父!俺の値を言ってみろ!特価だろ!?」 抜身のデルフリンガーがムサシの手でバタバタと喚く。 先程までのからの態度の豹変ぶりにルイズはぎょっとした。 「鞘込みで100って所で結構でさ。この店で一番のがらくたで良けりゃそれくらいでお譲りしましょ」 「おいちょっと安すぎやしねえか!?しかもがらくたたぁ言ってくれるじゃねえか、表出ろ親父ぃ!!」 「お前、買われたいのかそうじゃねえのかハッキリしろよ……」 「言っとくけど100以上なら買わないわよ……」 半ば呆れてきた二人だが、ルイズの財布を開いて覗き込んでみる。 100しかなかった。 な、とムサシが片目を瞑る。 ルイズは口を尖らせながらも、しぶしぶ勘定を済ませるのであった。 「うるさくなったら、この鞘に入れりゃ黙りますぜ。できるかい坊主」 「おう!朝飯前だぜ」 ムサシの背には新たに三本目の鞘が括られる。 彼の身の丈ほどの大剣と呼べるサイズだというのに、器用にムサシは背に剣を収めた。 店主はムサシの頭を大きな手で撫でて笑いかける。 「そいつは愛想が悪ぃなまくらだけど、面倒みてやってくんな」 「ありがとな、おっさん!いい買いモンしたぜ」 「あばよ!俺っちのいない余生は辛気臭ぇだろうが、楽しみやがれ」 なんだかんだで、すっかり人が良くなった店主に手を振って二人と一振りは店を後にした。 店を出て、大通りを逆行して外へと向かう。 しかし、ルイズの方はと言うと未だ納得していないのか憮然とした様子であった。 「ホントにそんなので良かったのかしら……こんなヘンテコな剣じゃ笑われるわよ?」 「おい娘っ子、言うに事欠いてヘンテコはねえだろぉが」 「いや、ルイズ。こいつはとんでもない掘り出しモンだったぜ?」 「うそぉ?だってこんな骨董品以下の剣……」 ルイズは訝しげに背中で揺れる剣を眺めた。 どんな物好きだってゴミとして捨てそうなその外見を見て、改めてため息が洩れる。 「娘ッ子ぉ、そりゃねーぜ。そりゃ俺、いろいろ忘れてるけどもさ」 「いいよ、帰ったら説明するからさ。これからよろしくな、デルフリンガー」 「おう、俺っちのことはデルフでいいぜ。相棒、名前を教えてくれや」 「おいらは、ムサシだ」 人ごみを抜け、都の外に繋いである馬に乗り込む。 日はまだ正午、といったところか。 「ちょっと!何で私の前にあんたが乗るのよ」 「後ろにしがみつかれるより、こっちのがルイズのが楽だと思ってさ」 「い、いいからあんたは後ろ!しがみつかれて嫌がるほど心狭くないわ!」 「ケケケ、言うねえ娘ッ子。本心は違うんじゃねぇか」 帰路は行きより、少し騒がしくなりそうであった。 前ページ次ページBRAVEMAGEルイズ伝
https://w.atwiki.jp/tohogyokureiki/pages/37.html
コダマ名 HP 攻撃 防御 速度 合計 属性1 属性2 攻撃属性 弱点 耐性 スキル 必要アイテム ちびルイズ 85 75 60 50 270 地 - 地風 水樹氷 雷毒岩 - ルイズカード Hルイズ 130 85 90 65 370 地 風 地風鋼 氷水 雷地闘毒虫 夢想時空 祝福の霊珠 ※青文字は属性一致、赤文字は重複弱点、緑文字は重複耐性、灰色は無効、(括弧内)はスキル効果あり #ref error :画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。 #ref error :画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。 ちびルイズ Hルイズ スキル 夢想時空 ターン終了時、自分の速度がSLv×2%上昇します。 スペル スペル名 属性 威力 消費 詳細 必要銭 ちびルイズ Hルイズ 幻想怪奇弾幕 地 80 20 通常攻撃 3000銭 - ○ バーティカルホライズン 地 100 30 通常攻撃(初期) 20000銭 ○ ○ 黄泉比良坂強行突破 地 120 40 相手の防御を20%下げます。 100000銭 ○ ○ 地 150 50 相手の防御と速度を20%下げます。 禁呪 - ○ エーテルの風 風 80 20 通常攻撃 3000銭 ○ ○ エオリアンスペース 風 100 30 通常攻撃 20000銭 - ○ 霊天停止 風 120 40 相手の速度を20%下げます。 100000銭 - ○ 風 150 50 相手の速度を50%下げます。 禁呪 - ○ 白銀の車輪 鋼 80 20 通常攻撃 3000銭 - ○ 魔界急行片道切符 鋼 100 30 自分の速度を20%上げます。 20000銭 - ○ 鋼 120 40 自分の速度を30%上げます。 禁呪 - ○ カード効果 アイテム名 装備時効果 契約コダマ 入手(金額) 備考 ルイズカード HPが20増加します。 ちびルイズ 小吉印の福袋・アイテムショップ(200000銭) 4-4クリアでショップ追加
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/218.html
「ちょっと!あんた達何をやっているのよ!!」 もの珍しさに二人の周りを囲む人の壁から血相を抱えたルイズが出てくる 「ギーシュ!貴方何を考えているの!?貴族が平民に決闘を申し込むなんて!!」 「これはこれはミス・ヴァリエール、君の使い魔がとある二人の名誉を傷つけてね。それで僕が君の変わりに礼儀を教えようかと思ってさ」 「だからってそんなの!そいつは平民なのよ!」 決闘を申し込まれた男、ロムに杖を向けるルイズ 「そんなの関係ないさ。貴族と平民での間ではね」 第3話 ハルケギニアに巻き起こる拳 トリステイン魔法学院の図書館は食堂がある本塔の中にある。 おおよそ30メイルの高さの本棚が壁際に並んでいる様子は壮観だ。 ここには始祖ブリミアがハルケギニアに新天地を築いて以来の長き歴史が詰め込まれている。 そんな図書館の中には教師のみが閲覧を許される『フェニアのライブラリー』がある そこに一人の中年魔法教師が昨日の夜から寝ずに書物を調べている、コルベールだ 彼は今、一心不乱に自分の疑問を答え本を探している その疑問とは彼の手に持つスケッチに書かれていた。 スケッチに書かれていたのはロム・ストールの左手に浮かび上がったルーンであった (やはり見つからない・・・・、あの様なルーンは召喚の監督を担当してから初めて見るからな・・・・、いやしかしそれ以上に疑問なのは) 一呼吸して自らを落ち着かせる (彼女の使い魔!一応、人間であるか確かめたがディテクト・マジックを使ったが・・・・、人間所では無い!生物でも幻獣でも無かった!!) 彼の読んでいるルーンに関する本の横には、古代魔法によって作られたゴーレムに関する本、過去のエルフにの交流に関する本も置いてあった (一体彼は何者なんだ・・・・)そう考えながらレビテーションで手に届かない本を取る、そして見つけた、それは始祖ブリミルが使用した使い魔達について記述された古書であった (こっこれは!) ページの一節とスケッチのルーンを見比べ目を見開き驚くコルベール (早くオールド・オスマンに伝えねば!) 慌てて本を抱えて飛び出して行った 「いいだろう、受けて立とう」 ロムの一言に周りが騒ぎ出す、今まで平民が貴族と決闘をするなんて事は無かったのだから当然である 「ちょ、ちょっと勝手に話を・・・・」 「うん、それでいいんだ。では食後にヴェストリの広場に来たまえ。では皆、食事を楽しもう」 慌てるルイズにギーシュが話を進めてギャラリーを解散させる 残っていたのはルイズ、ロム、シエスタの三人であった 「あ、あなた殺されちゃう・・・・、貴族を怒らせるなんて恐ろしい事を・・・・」 シエスタが恐ろしいものを見た顔で震えている 「シエスタ、君は先に厨房に戻ってくれ俺はマスターと話がある」 シエスタが横を見ると今でも何かを言いたそうなルイズがいた、そしてそのまま小走りで厨房へ向かった 「あんた、何をしているのよ!勝手に決闘の約束なんかしちゃって・・・・、今すぐ謝りに行きなさい!」 「何故だ」 ロムが表情を変えずに言う 「何故って怪我するかもしれないのよ!いいから謝りに行きなさい!今なら許してくれるかもしれないわ!!」 「駄目だ、彼は言っていた、名誉を賭けて闘うと、俺はそれに答えなければならないんだ」 「こんな時に何を言っているのー!」 この時ルイズは心配していた、いくらロムが強い戦士でも魔法が使えなければこの世界では通用しない ただ単にロムを身の安全を心配していた 「あのね?!闘ったら絶対勝てないし怪我するわ!いや、怪我で済んだらいい方よ!!」 「そんな事はやってみないとわからないだろう」 「聞いて!平民はメイジには絶対に勝てないの!」 するとロムはじっとルイズを見る、 「な、何よ・・・・」 「頼むマスター、この決闘、認めてくれないか」 ロムは続けて言う 「戦士として決闘を申し込まれたからには潔く闘いたい。その代わり俺は必ず勝つ」 ロムの澄んだ目に悩んでしまうルイズ、そして・・・・ 「あ~も~!分かったわ!受けてきなさいよ分からず屋!!けちょんけちょんにやられて少しは反省してきなさい!!」 「感謝する!」 ルイズは起こりりながら自分の席に座る、そしてロムは厨房に戻って行った 「只今戻ったぞ・・・・うん?」 ロムが厨房に戻るとおどおどしたシエスタが、そしてその後ろにはマルトーを中心としたコック達が 「聞いたぞ!あんた貴族と決闘するんだって!?」 「応援しているからな!!」 「あんたが勝ったらここの奉公人皆集めてパーティだ!っと言っても料理は余り物だけどな!」 もう既にお祭り状態だ、シエスタが言うには余りにも心配であったので先輩メイドに相談した所、それがあっという間に広まったらしい 「あの、怪我はしないようにしてくださいね・・・・」 「ああ・・・・」 一方ルイズはと言うと心配をしていた さっきは勢いであんな事を言ってしまったが冷静に考えるとそれはとんでもない事だ、平民がメイジに挑むなんて・・・・ 「あらあらなんであんたそんなに暗い顔してるのよ」 ルイズの隣にキュルケが座ってきた さらにその隣にずっと本を読み続けている小柄で眼鏡をかけ、水色の髪をした少女タバサが座った 「何のよう・・・・」 天敵相手に小さな声を出すルイズ 「聞いたわよ、あんたの使い魔、そうそうロムがギーシュと決闘をするんだってね。 それであんた自身どう思っているのかなーって。心配なの?」 「心配なわけないじゃんあんな奴・・・・」 ルイズは前にあったコップの中身を飲み干しながら言った 「私はあの人が勝つと思うわよ。だってあんなヒョロ男なギーシュより強そうじゃない!タバサあなたどう思う?」 「・・・・・・・・」 タバサは前の皿からパンを千切って黙々と食べている 「・・・・どっちとも興味ない」 「あらそう、面白そうなのにね~」 するとルイズが立ち上がる 「あんたの顔見てたら食欲失せたわ。授業始まるまで部屋で寝てる」 そう言って食堂から出ていった 「あ~あ、何なのあいつ、さっきまで元気だったのに」 「・・・・責任を感じているのよ」 タバサがポツリと言った ヴェストリスの広場は学院の敷地内、『風』と『火』の塔の間にある そこは日中でも日があまり差さない、決闘にはうってつけの場所だがすでにそこは噂を聞き付けた生徒達で溢れていた なんたってあの色男ギーシュとあのゼロのルイズが呼んだ平民の使い魔が闘う、それだけ聞いても見る気を注がせる 「結構集まっているじゃない」「・・・・・・・・」 キュルケとタバサが火の塔側のギャラリーにつく 「ロムさん・・・、大丈夫かしら・・・・」 シエスタも心配して見に来ている、そして・・・・ 「ハァハァ・・・・、何よあいつ、あれだけ偉そうに言っておいて、まだ始まってないじゃないの!!」 あれだけ心配していたルイズもやはり来ていた ギーシュは真ん中に立っていたがそこにはロムは居ない、そしてそのまま時が過ぎた ギーシュが薔薇の花を掲げる 「諸君、僕はとある平民と決闘をする為にここに来た。しかし、肝心の平民はまだ来ていない。これでは決闘が出来ない・・・・」 ギーシュが続ける、その顔には笑みが浮かんでいた 「それは何故だと思う・・・・、そこの君!」 「・・・貴族であるギーシュに怖じけついたから?」 「皆はそう思うかい?」 周りがざわつき始める、まさか・・・・本当に逃げ出した・・・・? 周りがそんな推測をし始める 「彼は今頃になって闘う事が恐ろしくなったのだ、決闘に遅れるなどあり得ないだろう。 しかし僕はそんな事は気にしない次彼に会ったら暖かく迎えようと思う」 (ちょ・・・・ちょっと待ちなさいよ!なんでそう決めつけようとするのよ!) 「まああれだな、主人がゼロだと使い魔もゼロなんだな!」 (マリコルヌあんた何言ってるのー!) まあゼロだからな、ゼロだから仕方ないか、あはははは! 周りがそんな声をそんな事を口にし始めた (何でよ・・・・何でこうなるのよいつもこうなるのよ・・・・) 真っ赤になったルイズは早くここから抜け出しいと思うようになる (ふむ、まさかこうなるとは思ってはいなかったが取り敢えずよしとしよう、これで初勝利だ!) 何に勝利したかは読んでいる貴方に任せた! 「ではこの決闘!これでお開きに・・・・」 そう言おうとした瞬間であった!! 「待てぃ!!!」 「!!?」 突然の声に驚きを隠せない生徒達、彼らは一斉に声の出所を探し始めた ~握れば落ちる砂の一粒は元は巨大な岩石であった~ (いっ今のロムさんの声!どこから!?) シエスタもキョロキョロと当たりを見回す 「・・・・・・・・あれ」 「え?ってあれ!?」 タバサが杖を向けた先にキュルケが絶句する ~風によってそれは砕かれていったのだ~ 「あんた・・・・、何でそんな所にいるのよー!!!」 ルイズが叫んだ先は・・・・、風の塔の頂上に立つ人影に向けたものであった 「我は風となりて敵を討つ・・・・、 人、それを『風蝕』と言う!!」 「何者だ!?」 ギーシュが叫ぶ! 「お前に名乗る名前は無い!!とうっ!!!」 人影は頂上から飛び降り、着地、何事もなかったかの様に立っていた そこに居たのは、紛れもなくロム・ストール本人であった
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/4236.html
前ページルイズの恐竜惑星 「使い魔との親交を深めているようですなミス・ヴァリエール」 「これはミスタ・コルベール」 医務室に頭髪の薄い男が入って来た。 ルイズの反応からしてこの男は教師なのだろう、とラプターは判断した。 コルベールはラプターに視線を移した。 「ほう。あなたがミス・ヴァリエールの召還した使い魔ですな」 「今はそういうことになっている」 「それで、あなたの名前は?」 「ラプター、そう呼ばれている」 自分達からすれば異質であろうラプターにあっさり話を振ったコルベールに、ルイズは少し驚いた。 そして、コルベールが両手に何かを持っているのに気付いた。 「...それは俺のクローか」 「はい。少し調べさせて頂きました。実に高等な技術で作られ、材質もまったく未知の物です」 「そうか。こいつをどうする気だ?」 「あなたにお返ししますよ。平民とはいえ武器を取り上げる権利は、我々にはありませんので」 どうやら武器ということは解っているらしい。だが「コレ」の威力を知らないようだ。 特殊合金も易々と引裂き、恐竜の首をはねとばす威力を。 この世界での平民が持つ武器と同程度か、あるいはそれに毛が生えた程度と考えているのだろうか。 ならそう思わせておいてもいいだろう、そうラプターは考えていた。 「ちょっとラプター!主人の私を放っておいて勝手に話を進めないでよ!」 「ならお前から話に入れば良い」 「~~~~~っ!!!」 割り込んで来たルイズを淡々と受け流すラプター。 コルベールはそれに苦笑しながら席を外した。 「部屋に戻るわよラプター」 「ああ」 「...あんたねえ!もっと愛想よくできないの!?」 「生憎そんな訓練は受けてないんでな」 「あーもういいわ!とにかく付いてなさい!!」 前ページルイズの恐竜惑星
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/279.html
「マスター洗濯物をたたんだぞ」 「あらそう、じゃあ明日の着替えは椅子に置いて残りはクローゼットの中に入れて置いて。 後これは明日の分。それじゃ御休み」 そういうとルイズは枕に頭を置く ロムは部屋を出て一週間前、自分が召喚された広場へと向かう そして二つの月を見ながら念じ始める 「・・・・今日も駄目か。日が立てば何か変わると思っていたがそう甘くはいかないようだな・・・・。」 そう呟くと広場を後にし、扉を開く前に振り返りまた呟いた 「剣狼よ。我が声が聞こえているならば、今すぐ我が下に・・・・」 第四話 情熱と古剣と土くれと 「マスター朝だぞ」 ロムの呼び掛けにうっう~んっと小さな声を出し、ルイズが上半身を上げて背伸びして一言 「服」 ロムは服と下着を前に差し出し後に向く 「着せて」 そして目を反らしつつボタンを一つづつ掛けていく 「鏡」 最後にルイズの目の前に鏡を掲げる 「よし、準備出来たわね。食堂へ行くわよ」 二人の朝は大体こんな感じである 「おはようルイズ」「・・・・・・・・」 「なんであんた今日もそこにいるのよ」 ルイズが何時も座る席の近くに最近になってキュルケとタバサが座るようになった。どういう理由かはわからないが 「おはようロム、今日も一段と凛々しいわね」 「おはようキュルケ、君も元気そうだな」 「ちょっとキュルケ!人の使い魔に話かけないでって言っているじゃない!あんたもそれに答えないでよ!」 「あらあら私達そんな事気にする間じゃないでしょ。ね~ロム♪」 「ま、まぁ」 あの決闘以来キュルケが自ら積極的に関わってくるようになった、しかも何故か最初に会った時より色っぽい (先週まで犬猿の仲だと思っていたが、女性とは心変わりが早いな) まあ兄さんが原因なのですが そんな中でタバサは相変わらず黙々とパンを千切りながら食べている 「・・・・最近パンが美味しくなった」 「そういえばそうね~、コックでも変わったのかしら?」 「あんたが居なければもっと美味しいのに」 ルイズは下にいるロムに顔を向けると 「・・・・なんであんたは顔をそらしているの?」 「いっいや別に・・・・」 そう言いつつやけに動揺していた ルイズが授業に出ている時、ロムは洗濯等に時間を使う。 一週間も立てば慣れた手付きで進めていく、そこへ 「あら、おはようございます」 腹黒、もといシエスタがやってきた 洗濯道具と白いシーツの束で腕が埋まっている 「今日は早朝ではないのですね」 「ああ、昨日本当はこの時間に洗濯をやるといいって聞いて、今日からそうする事にしたんだ」 計画通り!って顔になるシエスタ。しかしロムはそれに気付けなかった 洗濯している時間は会話が弾み、楽しそうであった。物干し竿に架かった白いシーツも風によって気持ち良く靡いている 「そういえばマルトーさん達が言っていましたよ。「今夜は遊びに来い。腕を奮って待っているぞ我らの剣」って」 「ではそうさせてもらうよ。ただし酒は勘弁してくれって伝えといてくれ」 シエスタはクスクス笑う 以前酔っぱらっいながらモチヅキさんを説教していた事を思い出したからだ 「じゃあ私は昼食の準備がありますのでこれで」 シエスタが微笑みながら学院に戻って行く、ロムもそれを微笑みで返す そしてその様子を一体のサラマンダーが舌をチロチロと揺らしながら見ていた そして夜、ロムは何時もの用に広場から戻る。今日は酔ってはいない 「さて、明日の準備をしなければ・・・・ってなんだあれは」 部屋の前にサラマンダーが腹這いになって寝ていた 「お前は・・・・確かキュルケの、そう、フレイムだ!」 手をポンっと叩くとフレイムは目を覚まし、そのギラギラと輝いているがどこか愛嬌のある目をロムに向ける 「きゅるきゅる(かぷっ)」 「むっ、こっこら、手を噛むな!それにその部屋は」 フレイムはロムを開けっ放しのドアへと引っ張って行く。しかしその部屋は・・・・ サラマンダーの気紛れではなかったら何なのだろうっと思ってドアをくぐった 部屋は真っ暗だった。サラマンダーの火で周りがぼんやりとと見える 「扉を閉めて?」 奥からキュルケの声が聞こえる、ロムは言われるままに閉じる そしてサラマンダーが奥へと歩いていくと・・・・ 「ようこそ、こちらにいらっしゃい」 やたら露出度の高い下着姿を着ているキュルケが表れた、大きな胸が小さな火によって綺麗に輝いており、今にも飛び出してきそうだ 「なっなっなっなんて格好をしているんだ!」 「しっ大きな声を出さないで。皆に聞こえちゃう」 口の前に人差し指を出して妖美に笑う 「隣に座って」 言われるがままにロムはベットに座る 頭の中が混乱して良くわからない様子であった 「あなた、あたしをはしたない女だと思っているでしょ」 「い、いや、そんなことは無い」 「いいのよ無理しないで。仕方が無いのよ、あたしの二つ名は『微熱』」 「知っている」 下着の隙間から見える谷間がなんとも言えない・・・・ あのマスターのそれとは比べ物にならない、そう何時もなら考えもしないことが頭に浮かんだ 「恋しているのよ、私、あのギーシュを倒した時から あれは格好よかったわ!まるでおとぎ話の勇者みたいで!!あたしねそれを見て痺れたのよ!信じられる!?」 「あ、ああ」 突然興奮しはじめてたキュルケに惑うロム。 そして彼女はこう言った 「どんな氷でも燃え上がった人の心は冷やせない・・・・、恋によって燃え上がる心 人はね、それを『情熱』と呼ぶのよ!」 「そ、それは俺の・・・・」 「いいのよ、そう思われたって・・・・、でも私はあなたに恋をしているの、それは確かなことなの!」 キュルケがそう言った時、窓を叩く音がした そこには、恨めしげに部屋を覗く男がいた 「キュルケ・・・・。待ち合わせの時間に来ないと思ったら・・・・」 「ペリッソン!ええっと二時間後に」 「話が違う!」 キュルケが杖を振り、ロウソクの火を大蛇に変える それに襲われた男は無惨にも落ちていった 「・・・・今のは」 「ああ、お友達よ、でね」 「キュルケ!その男は誰だ」 (また出てきた!) 「スティックス!ええと、四時間後に」 「そいつは・・・・」 キュルケは再び炎の大蛇で追い払う、当然男は落ちていった 「・・・・・・・・」 「それにしても、熱くないのいつも鎧着ていて?ねぇ、今すぐ脱いで立派な貴方の体を」 「「「キュルケ!!!」」」 (今度は三人か!) 「フレイムー」 呼び掛けられたサラマンダーが起き上がり、三人に向かって炎を吐いた。 三人は仲良く落ちていった 「もう、埒があかないわ!とにかく、愛している!」 そう言うキュルケはロムに向かって唇を近づける そしてここに来てロムは最高に戸惑う 「ちょっと待ってくれ!こっちも事情というものが」 その時、勢い良くドアが開いた また男か、と思ったがそこに立っていたのは目に炎を浮かばせ顔を真っ赤にしたネグリジェ姿のルイズであった 「あらあらどうしたのミス・ヴァリエール?こんな夜遅くに」 「ツェルプトー!何あんた人の使い魔に手を出しているの!?」 余裕を見せるキュルケに怒りをばら蒔くルイズ、いかん、これではまた決闘が起きる。 そう思ったロムは 「マスター部屋に戻ろう」 自分から身を引く事にした 「あら、お戻りになるの?残念だわ。じゃあまたねダーリン(チュッ」 キュルケはロムに向かって名残惜しそうな目で投げキッスする 「ひっかかっちゃダメ!何時もの手なの!」 ルイズはロムの手を引っ張って部屋から出ていった 部屋に戻ったルイズはドアに内鍵をかけてつり上がった両目でロムを見た 「今日は戻って来るのが遅いと思ったら、どーしてあんな女の誘いなんかに乗るのよ!」 起きているのか!っというツッコミは置いといて逸らさずルイズの目を見るロム 「なんでツェルプトーなんかに尻尾を振るのよー!」 「すまん、彼女の誘いを真に受けた俺が悪かった」 ロムは頭を下げるがそれでも怒りがおさまらないルイズはロムに杖を向けた すると目の前で突然爆発したではないか! 「ぐわ!っ何をする!」 「お仕置きよ!こうしないとまたあいつの所へ行くでしょ! それにあんたいつも鎧着ているでしょ、だから鞭なんて効きそうにないからこうよ!」 ドカン!また爆発した 「なっちょ、ちょっと待ってくれ!」 ロムは隙を付いてルイズの手首を握って振れないようにする 「はなしなあさいよ~!」 「マスター、落ち着いて俺の話を聞いてくれ!」 「離したら聞いてやるわ!」 「っであんたは剣が欲しくてたまらないから毎晩広場で流れ星を待っていた、その帰りにあいつに誘われたって事でいいのね」 「ああ、若干違うがそれで頼む」 「そういえばあんた騎士みたいな格好しているけど剣を持っていなきゃしまらないわね」 するとルイズは下を向いて手を顎に付ける そして閃いたように再び前を向いた 「わかったわ、あんたに剣を買ってあげる」 「ほっ本当か?」 「ええ、あんた剣が無くても強いけどね。でも私はご主人だから、使い魔には充分な物を揃えてあげなきゃ」 「ありがたい、感謝する」 「わかったらさっさと寝る!明日は虚無の日だから街に連れていってあげる」 こうして今日が終わるのであった 明日剣を買いにいける、ひょっとしたら剣狼が見つかるのかもしれない、そんなことを期待しながら毛布を被るロム しかしロムはある事に疑問をもっていた (どうして人の目の前で爆発なんて器用な事が出来るようになったんだ?) そんな事を考えながら窓の向こうにある夜空を見てある事を思い出す (ルイズは授業が終わってから魔法の練習するようになった。だが今日先週と同じ魔法を使った所失敗したらしいな。 ちゃんと練習したなら何故成功しない?何故爆発ばかりする?) そこで出た結論・・・・、それは (まさか・・・・、爆発を起こす練習もしていたのか!) そう、ルイズは授業の予習復習だけではなく調教用の爆発の練習もしていたのだ。 しかし悲しいかな、そればかりが上達するようになっていったのだった ロムは二時間寝た後、再び目を覚まし、落ち込んだ 一方学校の外ではローブを着た女性が立ち、二つレンズは月によって輝いている その顔は妖しい笑みを浮かべレンズの奥にある目は宝物庫を見つめていた もう一方で奉公人の詰所。 黒髪の少女が首都で働く従姉妹の手紙と共に届いた袋を開けていた その中には赤、白、青で配色がなされた下着が入っており、それを見てとても喜んだそうな